<山となったほこり達>
小さなほこりがそこにあった
小さすぎて誰も気にしない
自分が何であるかもわからない
そんな小さなほこりがあった
ほこり達が集まり粒になった
小さすぎたから気にかけて
自分達の大きさを見せるため
そんな想いが粒になった
それでも小さい粒が更に集まった
小さいからと諦めずに
自分たちが集まれば先が見える
そういう気持ちが砂になった
小さな砂になった粒たちは
小さくていいからと希望を持って
自分たちの心意気を胸に抱いて
そんな心が石に近付いていた
ようやく人に見える石になったほこりは
小さかった自分を思い出していた
自分たちが何故集まったのか
そんな迷いが石を悩ませていた
悩み始めた石は一度別れた
小さかった自分達が何だったのか
もう一度考えてみたくなったから
そんな考えで砂粒に戻った
考え始めた砂粒は初心に戻った
小さすぎたから誰も気付かないから
諦めたくなくて希望が欲しいから
だから集まっていた事を拾い上げた
初心に戻れた砂粒は思い出した
小さな心にふれたからこそ
自分達は集まったのだという事
それがきっかけで砂粒は石に戻った
石が自分達の心に気付けたから
小さかった心の集まりの大切さに
自分達がしっかり持っているから
石となった自分達は岩になっていた
岩となった石達は心を一つにした
小さかった頃のほこりを思い出して
小さかった頃の自分達を忘れずに
岩は気付くと山と呼ばれていた
山と呼ばれて大きくなった時
小さな頃にあこがれていた物に
自分達の努力が実ったのだと
山は目一杯の喜びを表に出した
山の喜びに周りはおどろいていた
大きすぎる山のうれしさには
小さなほこり達が流される
それが噴火だとようやく気付いた
それを知った山は反省していた
山となった自分達の感情は
もう自分達だけの物ではないと
山は静かにほこりを抱きしめた